外資系ITの仕事内容や特徴

外資系ITとは

外資系ITと聞くと、GAFAと呼ばれる大手IT企業を連想する人が多いのではないでしょうか。GAFAはGoogle、Apple、Facebook、Amazonの頭文字を取ったもので、IT分野で大きな成長を遂げた4つの米国企業を指します。これら4社は、情報・サービス・商品をインターネット上で提供する「プラットフォーム」を構築し世界中に展開している「プラットフォーマー」と呼ばれています。

とは言え、外資系IT企業とはこれらのプラットフォーマーだけではありません。
IT関連分野を扱う外資系企業は日本に数多く進出しており、活発な採用活動を展開しています。
このような外資系ITについて、なんとなく高収入のイメージがあるかもしれませんが、成績によってインセンティブが変わるので、すべての人が高給取りとは限りません。IT関連職種から外資系ITを目指す人も、未経験という人も、外資系ITにはどんな仕事があるのか見ていきましょう。

外資系ITの仕事内容と特徴

外資系ITにも種類があり、それぞれ仕事内容が異なります。

メーカー・ベンダー

ソフトフェアやハードウェアの開発・製造を行うのが主な仕事。日本国内の外資系IT企業は、海外で開発された商品を日本向けにカスタマイズして展開することが主な事業内容となっています。
また、世間一般的にはベンダーとは製品の販売元を意味し、製造元であるメーカーとは区別されています。しかしながら、IT業界ではこれら双方の機能を担っている企業が多いため同じ意味で用いられることが殆どです。

Webサービス

GoogleやTwitterのような、Webサービスの開発・運用に関わる仕事です。B to CやC to Cまで幅広く展開しているために募集職域も広汎に亘っています。
サービスを開発するエンジニアはもちろん、営業・マーケティング・広報・経営管理・経理・人事・総務・販売・顧客サポートなどさまざまな職種があります。

コンサルティングファーム

企業の問題解決や戦略立案にかかわる仕事。IT系のコンサルティングファームであれば、ITを導入することで企業の課題をどのように解決し、これからの成長にどう活かしていけるのか、クライアントに必要な情報を提供します。
そのため、ITの知識だけではなく、あらゆる事象を包括的に捉えたうえでのソリューションの提供が求められます。

外資系ITの年収

外資系IT企業はベースの給与にインセンティブが上乗せされます。業務成績の良い人はインセンティブも高くなりますが、そうでない人は上乗せが期待できません。それでもベース給だけで年収400万円~600万円が狙えるので、生活できないことはないでしょう。

インセンティブを加味すれば、年収1,000万円を超えることも珍しくありません。企業によってはストックオプションも得られます。さらに社内の食堂やカフェが無料で使えることも。

職種によっても年収が変わってきます。営業職は成果が目に見えやすいため、インセンティブの割合が高め。営業成績を伸ばせる人なら高収入が見込めます。開発職や技術職も成績に応じたインセンティブがありますが、その割合は営業職ほど高くありません。それでも30代で年収1,000万円を超えることがあり、実力主義の中で自分を試したい人にはもってこいの職場でしょう。

外資系ITの職種と必要なスキル

ここからは外資系ITの職種と、求められるスキルを説明します。

プログラマー

プログラマーはIT系職種の基礎とも言える職種で、システムエンジニアの設計書通りにプログラムを作成します。わかりやすく正確なコードを書けるように、向上心を持って学んでいく姿勢が必要です。
また、黙々とコードを書くだけではなく周囲とのコミュニケーションが取れる協調性も必要です。プログラムの作成はあくまでプロジェクト全体の中の一部であり、多くの人が係る共同作業であるという前提を忘れてはいけません。

システムエンジニア

システムエンジニアはクライアントの要求を汲み取り、システムの設計を行います。技術的な面はもちろん、予算管理や進行にも関わるのが特徴です。

システムエンジニアというとパソコンに向かって仕事する姿を思い浮かべるかもしれませんが、実際にはクライアントやチームメンバーを相手にした仕事が多いです。そのため、高いコミュニケーション能力は必須でしょう。特に、クライアントとチームメンバーの間で板挟みになることが多いので、その際の調整能力や高いストレス耐性も必要です。

プログラミングはプログラマーの仕事ですが、ある程度のプログラミングの知識がなければ設計ができません。わからないことはすぐに調べるフットワークの軽さも重要です。

Webエンジニア

Webサイトやスマホアプリを設計、構築します。完成した後の保守やマーケティングまで担当することも。

こちらもシステムエンジニア同様、たくさんの人と関わる仕事です。クライアントや利用者が何を求めているのか聞き取り、Webサイトやスマホアプリに反映していかなければなりません。高いコミュニケーション能力と、Webに関する知識が求められます。中でもWebマーケティングの知識は必須です。もはやあらゆる企業がWebサイトやアプリからの集客を重要な販売チャネルと位置付けていることからも、Webエンジニアにも相応のリテラシーが求められます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクト全体を統括するのがプロジェクトマネージャーの仕事。システム開発における行程を管理しながら、リスク管理や経営管理にも気を配る必要があります。コミュニケーション能力に加えてリーダーシップや調整力が求められる職種です。
特に、クライアント・システムエンジニア・プログラマー3者の利害関係を適切に調整し、プロジェクト全体を経営方針に則した方向にリードする能力が求められるため、それ相応の経験と実力が求められます。

コンサルタント

クライアントが抱える課題に対し、IT目線だけではなくあらゆる方面から調査を行い、最適な改善方法や戦略をアドバイスする仕事です。故に、IT知識だけではなく経営知識や幅広い社会知識も必要となってきます。また、チームで動くことが多いので、協調性が求められます。そして、どんなにすぐれたプランでも、相手に伝わらなければ意味がありません。そこでは当然のことながら、自分の考えを正確に、わかり易く、そして論理的に伝える能力が必要です。

営業職

製造・開発に直接関係のない営業職でも、自社の製品やサービスの特徴がわからなければ売り込めません。そのため、ITに関する知識はある程度必要になってきます。製品やサービスを導入することで何が改善されるのか、噛み砕いて説明するスキルが必要です。そして当然のことながら、クライアントからの信頼を得るための誠実さや清潔さも必要です。口だけ達者で中身が伴わないタイプには務まりません。

また、売上げ実績が営業職の価値そのものとみなされるので、売り上げにコミットできる高い自己管理能力やストレス耐性も必要です。

外資系ITで求められる人材像

実力主義の外資系IT企業。目まぐるしく移り変わるこの業界で求められる人材とはどんなタイプなのでしょう。

  • IT知識がある人、ITに興味がある人

IT知識はあるに越したことはありません。IT知識が少なくてもIT企業に勤めることはできますが、職種の幅が狭くなってしまいます。

たとえIT知識がほとんどない状態でも、これから知識を身につければOKです。ただ、ITにまったく興味がなければ知識は身につきづらいもの。ITに興味を持って積極的に学べる人が向いているでしょう。

  • アップデートが早い人

IT業界の移り変わりは早く、1年前の技術が時代遅れになってしまうことも少なくありません。IT知識に自信がある人でも、最新の状況にアンテナを張って、知識を更新していくことが大事です。

  • 体力があり、メリハリをつけて働ける人

外資系IT企業の多くはフレキシブルな勤務時間をとっていますが、時期によっては長時間のハードワークになることがあります。そんなときに必要なのが体力です。
とはいえ、体力だけで長時間労働するのは好ましい働き方ではありません。忙しい時期は詰めて働き、さほど忙しくない時期は休暇を取ってリフレッシュするといったメリハリのある働き方が求められます。

外資系ITへの転職方法

外資系IT企業に転職するには、転職サイトや転職エージェントを利用する方法が一般的です。ヘッドハンティングもありますが、ひたすら待っているよりは自分から動いたほうが早いでしょう。

日系IT企業で働いた経験があれば、転職に際してプラスの要素になります。日系企業では研修制度が充実しているので、すでに基礎ができていると考えられるからです。その分、即戦力として扱われるので、転職してすぐに成果を出さなければならないというプレッシャーはあります。

未経験者の外資系IT企業への転職は不可能ではありませんが、経験者と比べて厳しいのは事実です。前職でやってきたことを外資系IT企業でどう活かせるのかアピールするとよいでしょう。ただし、広報、人事、経理、総務などのバックオフィス部門であればIT業界未経験でも即戦力となるので転職しやすいと言えます。

外資系企業全体に言えることですが、日本で働く社員でもいつ英語が必要になるかわかりません。ビジネスレベルの英会話に加え、英語のIT用語も押さえておく必要があります。特に、レポートラインが直接外国人上司の場合にはビジネスレベル以上の英語力は必須です。

外資系ITにもいろいろある

外資系ITというとどうしても大手企業をイメージしますが、実際にはいろいろな企業があり、社風も待遇もさまざまです。日系企業と比べてシビアなイメージがありますが、それだけ成長できると考えられます。転職活動を行うときは、外資系IT企業でどんな仕事がしたいのか細かくイメージすることが重要です。これからも大きく変化していく業界なので、最新情報のチェックもしっかり行いましょう。


この記事を書いた人

F様

大学卒業後(法学士)約25年に渡り外資系航空会社、高等教育機関国際関係部門、ドローン(無人航空機)スタートアップ等でマーケティング・事業開発・セールス等に従事。現在はフリーランスとして多様な業界業種のビジネスコンサルティングを手掛ける。
事業戦略から実務まで幅広い守備範囲を有し、限界まで脳みそを絞って考え抜きクイックにアウトプットにつなげるスタイルが特徴。また、外資系企業・国際業務経験で育んだ国際感覚と英語力を駆使し、常にワールドワイドな視点からのコンサティングを提供している。

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