外資系企業ってクビになりやすいの?

「外資系企業ってクビになりやすいの?」

「外資系企業ってすぐにリストラになるイメージがあるけど、ぶっちゃけどうなの?」

本記事ではそんな疑問にお答えしたいと思います。

結論から言うと、

「イメージしているよりもクビ・リストラになりにくい」

です。

なので、そこまでビビる必要もありませんし、過剰に怖がることもありません。

もちろん、勤務する会社のカルチャーや上司のスタイルによって多少の違いはあります。

職務で求められている結果が出なければクビになることもありますし、上司と相性が悪ければクビになりやすくなるでしょう。

ですが、それは日系企業も同じ。

僕はこれまで3社の外資系企業を経験しましたが、

「外資系企業だからクビ・リストラになりやすい」外資系企業でサバイブするには上司との人間関係が超大事という話

と感じたことはありません。(あくまでも個人的な意見ですが、日系ベンチャーの方がクビになりやすいイメージがあります…。)

いずれにしても、クビやリストラになることに対してビビってウジウジしているのは時間の無駄。

そんなものは自分のパフォーマンスの結果でしかないのですから、気にせず目の前の仕事を全力でやればいいだけの話です。

仮に、もしそれでもクビ・リストラになってしまったのであれば、それが自分の実力だっただけのこと。

自分の目指すキャリアの中に「外資系企業」という選択肢があるのなら、ビビらずその環境で頑張ればOKなんです。

外資系企業でクビ・リストラになるケース

これまでの外資系企業のキャリアの中で僕が見てきた、外資系企業でクビ・リストラになるケースについて解説をします。

ケース①:上司との人間関係が悪い

これが一番多いケースかもしれません。

外資系企業では直属の上司が人事権を持つことがほとんどですので、上司との人間関係が悪い場合、クビ・リストラになる確率が格段にアップします。

残念ながら上司といえども人間ですから、嫌いになった相手にはそれなりの対応になってしまうということです。

僕が働いていた金融業界の外資系企業の場合、かなりコンサバティブな社内文化でした。

上司の言うことに対しては「Yes」しか許されない環境。

反論しようものなら冷や飯を食わされて、最後にはクビ、ということも!?

そんな社内文化でした。

とにかく「上司=絶対服従」が暗黙のルールでしたので、もし上司との人間関係をこじらせてしまうと社内の立場が危うくなるリスクがありました。

外資系企業って、実は意外と上下関係がめちゃくちゃキツいんですよね。

英語で話すと「Mike」とか「Ben」とか名前を”呼び捨て”で呼んでしまうので、日本人的感覚だとついフランクな距離感で話をしてもOKなイメージがあるんですが、とんでもない。

下の役職が上の役職の人に対して意見したり「No」ということは、「相当反抗的な態度」と取られてもおかしくないような感覚なんですよね。

上限関係は日系企業よりも厳しいかもしれません。

関連記事:外資系企業でサバイブするには上司との人間関係が超大事という話

ケース②:日本でのビジネスがあまりうまくいっていない

働いている外資系企業のビジネスが日本国内であまりうまくいっていない場合、クビ・リストラになる場合があります。

一度も顔を見たこともない海外の本店の偉い人たちが、

「お前の所(日本)のビジネスがあまりうまくいってないみたいだから、来年度から予算減らすわ!!」

「今セールスで10人雇ってるけど、結果出てないからマネージャーはクビにして、新しい人探して。あと、セールスの人数も半分でよろしく!」

こんな風に数字だけをみてドライに意思決定がなされていきます。

日本支店は世界各国の支店の中でも比較的ヒエラルキーが下の方の傾向がありますから、ビジネスの景気が悪くなったらすぐに予算が削られるんです。

残念ながら、支店に権限なんてありませんので、とにかく本店の意向に従うしかないんですよね。

ただ、本店とのコミュニケーションが上手い支店長やヴァイスプレジデントがいると話は別。

「いや〜、日本も頑張っているんですけど、これこれこういう理由があって、、、。まあ、ということで、来年は頑張って結果出すんで、何卒穏便に笑」

本当にこんな風に話しているかは別として、こんな風に日本が置かれているビジネスの状況をうまく本店に説明して、クビ・リストラの波をのらりくらりとやり過ごしてくれる場合も。

ただ、こういう優秀な上司に恵まれたとしても、有無をいわさず予算カット、ひどい場合は日本撤退ということもありえます。

日本撤退の場合は全員が解雇ですので、否が応でも次の職場を探すしかありません。

結構辛い経験ですが、自己都合の退職ではないので案外早く次の仕事が見つかることも。

「貴重な経験ができた!」

と、常に前向きにポジティブであることが外資系企業のキャリアにおいて大切なことですね!

外資系企業でクビ・リストラになった場合どうなるのか?

これまでクビ・リストラになったことがある人をたくさん見てきましたし、自分もクビになったこともあります。

そんな体験をシェアしたいと思います。

急に上司に呼び出される

急に上司に呼び出された場合、それは危険なサインです。

昔外資系企業で一緒に働いていたセールスのヘッドは、来日中の上司に呼び出されてからわずか1時間で解雇されていました。

とにかく、特に理由もないのに上司に呼ばれた場合は、

「あ、これはやばい。。。」

と、用心しておいたほうがいいでしょう。

過去に僕がオペレーションのヘッドを担当していた時の話ですが、その時はCEOからディナーに誘われました。

「お!美味いものが食える!」

なんて思った自分は相当若かったです。

ディナーの最中、まるで面接かのようにあれこれ質問されて、何か変な雰囲気だったんです。

途中、なぜか僕の答え方に対して、

「ん〜、その言い方はおかしい。」

「お前は誰をボスだと思っているのだ?俺はCEOだぞ?」

と理不尽にキレられ、そこからひたすらゲキ詰めの時間。

「お前には失望した。」

「ここまで積み上げてきた信頼の貯金はゼロだ。」

と一方的にまくしたてられ、そのまま気まずい雰囲気の中ディナー終了。

「は?意味わからんし。」

と、店の外でイライラしてCEOが会計を済ますのを待っていたら、そのあと笑顔で

「食後にコーヒーでも飲むかい?」

なんて言われ、余計にイライラ。

「多分この感じだとクビになるな。もうどうでもええわ。」

と思ったので、「No!!」と断って思いっきり顔を潰したあとに一人でタクシーで家路につきました。

その後、深夜に主要マネージャーをCCに入れた重要マーク付きのメールで、

「MASAには失望した。」

そんなことがひたすら長文で書かれた、なんともおぞましいメールがCEOから届きました。

これがきっかけとなってCEOとの関係は猛烈に悪化。

会社にいることができなくなり、結果的に自分から会社を去らざるを得ない状況になりました。

今になって冷静に考えれば、

「これって社員を解雇するためのマニュアルがあって、そのやり方に沿った悪どいやり方なんじゃねーの?」

って思うんですが、当時はそんなことは微塵にも考えず、ただただ理不尽な怒りの矛先がなぜ自分に向いてきたのかわからずにいました。

いずれにしても、上司から呼び出される=クビ・リストラ候補になっている、と用心したほうがいいでしょう。

会社に来なくなる

クビ・リストラになるとそもそも会社に来なくなります。

業務をする必要がないので会社に来ない、というのもありますが、物理的に入れなくなる、というのも理由です。

メールボックスはアクセス不可になり、会社のチャットシステムからは削除され、社内の人間とのコミュニケーションが一切取れなくなります。

カードキーはアクセス不可となり、荷物は自宅に郵送。

ネットの記事でよく見るベタな話に聞こえるかもしれませんが、これがリアルに起こるのが外資系企業。

昔一緒に働いていたオペレーション部門の部長が休み明けから一向に出社しないので、

「あの人どうしたんですか〜?」

と社内の人に聞いたら、

「クビになったらしいよ。」

そんな風に淡々と言われたことも。

出社しない人がいたら結構な確率でクビ・リストラになっていると考えていいでしょう笑

周りの人も慣れているので、そんなに動揺せず、まるで最初からその人がいなかったようないつもの日常の光景がそこにあります。

まあ、外資系企業ってそんな感じの世界ですよね。

ちなみに、クビ・リストラになった人の業務は誰かがやらなきゃいけません。

同じ部署もしくは同じチームの人が担当することになるのですが、基本的に引き継ぎなしでそのままのスピード感で動かすことになるので、残っているメンバーはかなりしんどいです。

過去のメールのやりとりを一つ一つ確認しながら、パズルを解くように案件を処理していきましょう。

それはそれで自分の力がつく仕事でもありますが。

まとめ

今回の記事では

「外資系企業ってクビになりやすいの?」

そんな疑問に答えてみました。

確かに外資系企業ではクビになる可能性はありますが、それ以上にエキサイティングな仕事ができる環境でもあります。

この記事の冒頭でも少し触れましたが、最初からクビ・リストラになることに怯えず、まずは仕事を全力でやればいいだけの話です。

もしそれでもクビ・リストラになってしまったのであれば、それが自分の実力だったということ。

また自分を高めるために努力すればいいだけの話です。

先行きの見えない時代になってきましたが、怖がらずに前に進みたいものですね。

記事の執筆者

MASA

関西のとある田舎出身。新卒で入社した証券会社を半年で辞めてカナダ留学へ。帰国後は都内の外資系金融会社のミドル・バックオフィス担当。ハードに働く日々を過ごす。その後、憧れだった外資系銀行に転職。海外勤務を経験。退職後は地元で起業。途中、英系の外資系金融会社のプロジェクトに参画し、完全アウェーの職場で日々奮闘。帰国後、田舎の可能性を探求しながら日々泥臭く生きています。

MASAさんのHPはこちら
イナカノマサ(英語、キャリア、ライフスタイルについて発信しています)

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