
培ってきたスキルや実務経験を活かして海外で働くために、資格取得を検討している方もいるかもしれません。
しかし、国や企業、職種によって評価される資格は異なるため、希望するキャリアに応じた資格を選ぶことが重要です。
本記事では、2026年8月時点で日本国外の求人を約2,100件以上掲載している株式会社キャリアクロスが、海外で通用する資格・学位・試験を厳選して紹介します。
資格を活かして海外で働くために知っておきたいポイントや、転職までの3ステップについても解説します。今後のキャリアを検討する際の参考にしてください。
海外で働くのに資格取得が有利になる理由

海外で働くうえで資格取得が有利になる理由は、語学力や専門知識を客観的に示しやすくなるためです。
たとえば英語試験の場合、一定のスコアを取得することで、英語力を客観的に示すことが可能です。語学力を重視している外資系企業やグローバル企業では、採用選考でプラスに働く場合もあります。
さらに、国際資格である「PMP認定資格」を持つ回答者の給与中央値は、資格を持たない回答者より17%高いとされており、資格取得が給与に影響する事例もあります。
海外で働くために資格取得は必須ではありません。しかし、自身のスキルや専門性を客観的に示せる資格があれば、応募できる企業や職種の幅を広げやすくなります。
海外転職を目指す場合は、希望する国や職種で評価されやすい資格を調べたうえで、取得を検討してください。
参考:Project Management Institute「Is PMP Certification Right for You? A Guide to Deciding and Getting Started」
海外で働くのに役立つ資格・学位・試験
| 区分 | 名称 | 特徴 |
| 語学試験 | IELTS | 留学・就職・ビザ申請など幅広く活用される |
| TOEFL iBT | 海外大学への進学や海外派遣で重視される | |
| ケンブリッジ英検 | レベル別に受験でき、有効期限がない | |
| 学位 | 学士号 | ビザ審査に関係する場合がある |
| MBA | 経営に必要な知識を幅広く学べる | |
| 修士・博士 | 高度な専門性を証明できる | |
| 国際資格 | USCPA | 会計・監査・財務分野のキャリアに活かせる |
| CFA | 投資分析・資産運用の専門性を示せる | |
| PMP | プロジェクト管理の仕事で活用できる | |
| 専門資格 | 日本語教育に関する資格 | 日本語教育の専門性を証明できる |
| 調理師免許 | 日本で培った調理経験を活かせる | |
| 専門職の国家資格 | 国ごとに資格取得や審査が必要 |
目指す職種や働きたい国によって、役立つ資格や試験、学位は異なります。
それぞれの特徴を把握し、自身のキャリアに必要な資格を見極めましょう。
1.語学試験|英語力を証明できる
まずは語学力を証明できる国際的な英語試験を紹介します。
IELTS
IELTSは、英語の「聞く・読む・書く・話す」の4技能を測る試験です。海外就職や留学、移住時の英語力証明に活用されています。
合格・不合格ではなく、4技能それぞれの英語力を1〜9のバンドスコアで評価する仕組みです。
ビザ申請にも関係する場合があり、たとえばオーストラリアでは、一部のビザ申請で英語力を証明する試験として認められています。
参考:IELTS「IELTSについて」
参考:IELTS「バンドスコア・採点方法」
参考:Australian Government Department of Home Affairs「Proficient English」
TOEFL iBT
TOEFL iBTは、世界160ヶ国、13,000以上の大学・教育機関が入学審査に採用している英語試験です。
大学・大学院への進学だけでなく、海外派遣の選考や国際機関の採用などにスコアが利用される場合もあります。
海外事業を担う人材を育成するために導入している企業もあり、海外勤務やグローバルな環境で働くための英語力を客観的に示したい人に適しています。
参考:toefl「基本情報」
ケンブリッジ英検
ケンブリッジ英検は「B2 First」や「C1 Advanced」、「C2 Proficiency」など、自身の英語力に応じた試験を受験できます。
世界130ヶ国の25,000以上の企業や教育機関が試験を認定しており、資格自体に有効期限はありません。
ただし、企業が独自に有効期間を設定している場合もあるため、採用選考に応募する際は条件を確認しましょう。
参考:CAMBRIDGE「Education Agents for international students」
2.学位|ビザやキャリア形成に活かす
ビザ申請や海外でのキャリア形成に活かせる学位について解説します。
学士号
学士号は、大学などで一定の課程を修了した人に授与される学位です。
国によっては移住制度で学士号が評価対象になる場合があります。たとえばカナダの移民申請制度「Express Entry」では、学歴が評価項目の一つとなっており、学士号にもポイントが設定されています。
海外求人では、企業や職種によって学士号が応募条件として設定される場合もあるため、募集要項を確認して必要な学位や専攻分野を把握しましょう。
参考:Government of Canada「Comprehensive Ranking System (CRS) criteria」
MBA
MBAは「Master of Business Administration」の略称で、日本では経営学修士にあたる学位です。経営戦略やマーケティング、財務、人材管理など、企業経営に必要な知識を幅広く学びます。
取得条件や難易度は大学によって異なり、入学時に実務経験を求めるプログラムもあります。
海外のビジネススクールでMBAを取得する場合は、異なる国や業界の受講者と学ぶ機会があり、人脈を構築できるのがメリットです。
すでに専門分野で実績を積んでいる場合は、管理職や経営に近いポジションを目指すうえで、MBAで学んだ経営知識を活かせる場面が多くあります。
参考:早稲田大学 大学院経営管理研究科「入学試験情報」
修士・博士
修士・博士は、大学院で専門分野を学び、高度な知識や研究能力を身につけた人に授与される学位です。研究職をはじめ、高度な専門知識が求められる職種で専門性を示す材料になります。
特に専門性の高い分野では、博士号がビザの要件や審査に関係する場合があります。
たとえばイギリスの「Skilled Worker visa」では、仕事に関連するSTEM分野(科学、技術、工学など)の博士号を持つ場合、ビザ申請に必要な給与要件が緩和される仕組みです。
参考:GOV UK「Skilled Worker visa」
3.国際資格|専門性を証明する
続いて、日本でも海外でも活用できる国際資格を紹介します。
USCPA
USCPA(米国公認会計士)は、会計や監査に関する知識・能力を証明できる資格です。アメリカの各州が認定する資格ですが、日本からでも受験できます。
USCPAの知識は、会計事務所での監査・税務だけでなく、グローバル企業の経理・財務、内部監査、アドバイザリーなど幅広い業務で活かせます。
州によって受験資格などの条件が異なるため、取得を目指す場合は希望する州の要件を確認しましょう。
CFA
CFAは「Chartered Financial Analyst」の略称で、投資分析や資産運用に関する専門知識を証明する国際資格です。
試験はLevel I〜IIIの3段階に分かれており、倫理規範や投資分析、ポートフォリオ管理などが出題されます。
海外の証券会社や資産運用会社など、金融分野でキャリアアップを目指す人に適した資格といえます。
参考:CFA Society Japan「About CFA Institute」
PMP
PMPは「Project Management Professional」の略称で、プロジェクト管理の知識や実務経験を証明する国際資格です。
受験には、学歴やプログラム受講歴に応じて2〜5年程度のプロジェクト実務経験が必要です。
ITや製造、建設、金融など幅広い業界で認知されており、海外でプロジェクトマネージャーや管理職を目指す際に、プロジェクト管理の知識やスキルを示せます。
参考:Project Management Institute「Project Management Professional (PMP)®」
4.専門資格|日本で培った経験を活かす
日本で培った経験を活かせる専門資格を紹介します。
日本語教育に関する資格
日本語教育に関する資格の例としては、「日本語教育能力検定試験」や、国家資格である「登録日本語教員」などがあります。
国際交流基金の2024年度調査によると、海外の日本語学習者は約400万人にのぼるとされ、前回の調査よりも20万人以上増加したことが報告されました。日本語教育の専門性を身につければ、海外で日本語を教える仕事も選択肢になります。
海外で日本語教師として働く場合、主な勤務先として日本語教育機関や大学、高等学校などが挙げられます。
参考:国際交流基金「2024年度 「海外日本語教育機関調査」 報告書『海外の日本語教育の現状』及び集計表を公開」
調理師免許
海外の飲食店で働きたい場合は、調理師免許や実務経験を活かせる可能性があります。
農林水産省の調査によると、2025年の海外における日本食レストランは約18万1,000店にのぼり、日本食は世界各地に広がっています。
日本料理店や寿司店、ホテルのレストランなど、日本で培った調理経験を活かせる求人情報を探しましょう。
参考:農林水産省「海外における日本食レストラン数の調査結果(令和7年)の公表について」
専門職の国家資格
看護師や医師などの専門職では、日本で培った専門知識や実務経験を海外でのキャリアに活かせる場合があります。
ただし、日本の国家資格がそのまま海外でも通用するとは限りません。たとえば看護師には世界共通の免許がなく、海外で働くには勤務する国の資格を取得する必要があります。
国によって試験や資格審査などの条件が異なるため、希望する国の制度を確認したうえで準備を進めましょう。
資格を活かして海外で働く前に知っておきたい2つのポイント

資格を取得していても、それだけで海外就職につながるとは限りません。
ここでは、資格を活かして海外で働く前に知っておきたい2つの現実を解説します。
1:国際資格がビザ取得で有利に働くとは限らない
国際資格を取得しても、就労ビザの審査で必ずしも有利になるとは限りません。
就労ビザの要件は、国やビザの種類によって異なります。
資格が申請要件や評価材料になる場合もあれば、学歴や実務経験、雇用先などが重視され、資格自体は直接評価されないケースもあります。
たとえば、IELTSはオーストラリアなどの国において、ビザ申請時の英語力を証明する書類として利用可能です。
一方、PMPやCFAなどは国際的に認知された資格ですが、就労ビザとの直接的な関連は確認できません。
資格を選ぶ際は、知名度だけで判断せず、働きたい国のビザ制度でどのように扱われるかを確認してから取得を検討しましょう。
2:未経験者は資格だけで応募できない海外求人もある
海外求人では実務経験が重視される傾向にあり、資格を持っていても未経験者は応募できない可能性があります。
たとえば、外資系企業への直接採用求人が約1,200件掲載されているCareerCrossには、5年以上の実務経験を求める企業が複数あります。
「実務経験5年以上」は、海外転職の必須条件ではありません。一方で、一定の経験が評価される求人もあるため、海外転職を目指す場合は国内で実績を積んでから応募するのも選択肢です。
また、一定のキャリアを積んだ年齢層が海外勤務の中心になっているデータもあります。
日本在外企業協会の2025年調査では、家族帯同の海外駐在員の約75%が30〜40代で、平均年齢は42.3歳でした。
さらに、海外勤務では、実務経験や役職が待遇に影響する場合があります。
EY税理士法人がおこなった調査では、海外勤務手当の月額中央値が、役職ごとに以下のように異なることがわかりました。
- 部長クラス:165,000円
- 課長クラス:142,000円
- 一般スタッフ:110,000円
海外就職を目指す場合は、取得する資格だけでなく、これまでの実務経験や現在のポジションを踏まえて、転職のタイミングや方法を検討しましょう。
参考:一般社団法人日本在外企業協会「第14回帯同家族、海外・帰国子女教育に関するアンケート結果報告」
参考:EY「EY調査、海外赴任者を取り巻く環境変化は大きいものの、給与・手当の水準に顕著な変化は見られない」
資格を活かして海外で働くための3ステップ

ここからは、希望する国や職種の整理から求人への応募まで、海外転職につなげるための流れを3ステップで解説します。
ステップ1:働きたい国・職種を明確にする
まずは、働きたい国と職種を明確にしましょう。
国や応募先の企業によって求められる語学力や資格、実務経験は異なるため、希望を先に決めておくと、必要な準備をしぼりこみやすくなります。
たとえば「オーストラリアでPMとして働く」という目標が決まれば、IELTS受験で英語力を確認したり、PMPの取得を検討したりと、準備する内容を具体化できます。
「海外で働きたい」と漠然と考えるのではなく、国・職種・ポジションまで具体化し、必要な条件を整理するところからはじめてください。
ステップ2:求人情報をチェックして必要スキルを伸ばす
働きたい国や職種が決まったら求人情報を確認し、企業が求める語学力や資格、実務経験を把握します。不足している条件があれば、関連業務の経験を積んだり、語学力や専門スキルを高めたりしましょう。
求人を確認する際は、日本語・英語の語学レベルを6段階で指定できるCareerCrossを活用すると便利です。「ビジネス会話レベルまでは求められない求人」など、英語力に見合う求人を探せます。
さらに「外資系×リモート」など希望する働き方に合わせて条件をしぼりこめるため、情報収集にも活用可能です。
気になる求人を複数確認し、求められているスキルを洗い出すと、資格取得や語学学習の優先順位を決めやすくなります。
ステップ3:海外求人へ応募する
必要なスキルや実務経験をそろえながら、海外求人への応募をはじめてください。
履歴書や職務経歴書を準備し、これまで担当した業務や成果、保有資格、語学力などを整理しておくと選考を進めやすくなります。
企業ごとに求められる経験やスキルは異なるため、同じ書類をそのまま使い回すのではなく、応募先に合わせて内容を調整するのが大切です。
たとえば、プロジェクトマネジメント経験を重視する求人ならば、担当した案件の規模や役割、成果を具体的に記載するとアピールにつながります。
応募を進める際は、企業への直接応募か、人材紹介会社を経由するかも確認しておきましょう。
CareerCrossでは「直接採用企業」と「人材紹介会社」の求人を区別して検索できるため、希望する応募方法に合わせて求人を探せます。
準備が整ったら、海外企業やグローバル企業の求人に応募し、実際の選考を通じてキャリアの選択肢を広げていきましょう。
海外企業で働きたいなら「CareerCross」
海外で働くために、資格取得はキャリアの選択肢を増やせる有効な手段です。
ただし、資格だけで就職やビザ取得が決まるわけではなく、必要な語学力や実務経験、応募先の条件もあわせて確認する必要があります。
資格を取得したあとは、身につけたスキルを活かせる求人を探しましょう。
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海外企業への転職を検討している場合は、CareerCrossを活用しながら活躍の幅を広げてみてください。