外資系・グローバル企業インタビュー Vol.13 株式会社コンフィア

2017/4/6
<コンサルタント略歴>大手システムインテグレーター、ネットワークインテグレーターで金融・公共向けソリューションセールスを担当した後、2006年以降から人材業界にキャリアチェンジ。2010年からコンフィアに参画し、IT/ヘルスケア/消費財業界など、幅広い業界の企業に対する中途採用支援並びにキャリアコンサルタントとして、次世代のビジネスリーダーに対する長期的なキャリア形成支援にあたっている。

1.コンフィアについて教えてください。

弊社は人材紹介会社と違い、企業の人事採用担当者の代理として候補者を探し、ヘッドハンティングするエグゼクティブサーチファームです。企業からスカウト依頼のあった候補者をキャリアクロスなどの媒体でスカウトし、面談の上、企業やポジションや担当業務の魅力を伝え、応募意思を頂いた後、企業に紹介していきます。また、エグゼクティブサーチ以外にも、現在の仕事上での悩みや相談、将来への不安を抱える方に対し、キャリアアドバイスという形で、1時間単位の有料サービスを提供しています。若者向けのキャリア事業は積極的に行っていきたいと考えており、現在大学側に、インターンシップ制度を導入したキャリア教育プログラムを提案しています。実は、若者向け事業をしたいという背景には、コンフィアと長期的なお付き合いをしてくださる方を見つけたいという想いがあります。私自身現在38歳ということもあり、今後のビジネスリーダーとなりうる同世代の方や若手の方とビジネスでご一緒し、ともに成長していきたいと考えているのです。
現在お取引いただいているお客様の特徴としては、大手ヘルスケア会社や外資系コンサルティングファームなどで、IT人材を求められている企業様が多いです。弊社には長年外資系企業でシステム責任者をしていた社長をはじめ、前職からの豊富な人脈があるコンサルタントが在籍しているため、一般的にコンタクトを取りづらいような、優秀な人材を紹介できるサーチ会社として信頼を得ています。

2.いま企業が求める人材について教えてください。

ほぼすべての求人に当てはまる年齢ゾーンとしては20歳代後半から30歳代後半です。ベンチャー企業だけでなく、大手企業の役員も30代で就任する傾向があります。職務経験が5年以上あり、経営企画や新規事業ができる方であれば、企業規模に関わらず、マネージャーや経営層のポジションにつけるでしょう。どんなに人手不足であっても、管理職クラスのポジションは能力重視で判断されますから。
ITエンジニアは総じて不足しており、純粋なSEやPMの採用ニーズは今もなお高いですが、また今後はビッグデータ含む膨大なデータを分析し、自社マーケティングに生かすことができる「データサイエンティスト」が益々重宝がられるでしょう。業務アプリケーションシステムと経営データを統合し、社内向けに業務改善やマーケティング業務コンサルティングができれば、転職市場価値の高い人材となるはずです。またこのポジションは、今後人工知能の発展で、更に需要も増してくるとみています。そのためIT人材のなかでも、マーケティングセンス・プログラミング知識・マネージメントスキルの3つが必要になってきます。且つ、開発拠点が海外にある企業としては、やはりバイリンガルを求めます。オフショア開発で活躍したブリッジSEが、また需要が高くなってきていることからも、語学力があるIT人材は強いといえます。「テクノロジー」の中でも、今後どのスキルが必要とされるかをキャッチアップし、そのキャリアを積むことができれば、将来的に引く手あまたの人材になれるはずです。
マーケティング職に関しては、外需拡大を図る企業が増えていることから、海外でのマーケティング経験がある人材が求められています。海外での勤務経験があれば、日系企業による海外プロジェクトに参画するチャンスがあるかもしれません。

3.転職業界の傾向はいかがですか?

転職業界は、ジョブホッパーができやすいマーケットになりつつあります。少し前までは、転職は会社を裏切る「悪しきもの」のようにいわれていましたが、現在求人広告は、駅やTVやデジタルのなか等どこにいっても目に入ってくるようになり、非常に身近なものになりました。また人事担当者曰く、40歳以上の候補者においては、転職経験が一度も無い方より(転職経験が)ある方のほうが、他社から必要とされる人材だという証明になり、安心できると考えられています。ただし、転職に対するハードルが下がると、なかには目先の利益だけを考え、安易な理由で転職活動をされる方がいます。私はそういう方に会ったときには、「その会社に入った5~10年後には、競合他社から求められる人材になっていると想像できますか?」と問いかけます。様々な媒体・サービスの増加により、希望要件が見つけやすくなり、応募もしやすくなっている一方で、その会社に入ってみてから「思っていたのと違った」という声もよく聞くのです。より簡単に情報が手に入るようになった反面、その企業の業界動向や、自分のビジョンまで深く考慮した転職活動が難しくなってきているのかもしれません。企業側も、○月までに○○人採用する、という採用目標に捉われすぎて、本当に必要な人材を見極められないまま採用するケースもあるようです。

4.ダイレクトリクルーティングが流行になるなか、エージェントの位置づけはどのようになってくると思いますか?

ダイレクトリクルーティングは確かに主流になってきていますが、直接人事担当者とコミュニケーションをとることに不安を感じる候補者の方は、まだたくさんいらっしゃいます。直接のやりとりですと、選考プロセスのなかで客観的な視点を持った人に相談することができないですし、年収や入社時期の交渉もやりづらいようです。また面接後も、エージェントから間接的にフィードバックをすることで、候補者は真摯にアドバイスを受け、次の面接で企業に好印象を与えられるようになります。優秀な人材であれば、企業はオファーを断られても別の機会に再度声をかけたいと思いますが、企業担当者が候補者に定期的なフォローアップをすることはなかなか難しいです。その点エージェントであれば、候補者とも企業とも信頼関係が築けるので、両者を再度繋げることも可能です。また候補者としては、直接企業からスカウトが届いても、その企業に興味がなければコンタクトをとらないですし、一企業に個人情報を開示することに抵抗がある方もいらっしゃいます。候補者にキャリアアドバイスをしつつ、客観的視点でマッチングできるところに私たちの価値があると思います。
また、ダイレクトリクルーティング用の媒体が溢れてきていますが、業界・職種によってはアナログのほうが効果的な場合もあります。例えば、医師のヘッドハンティングのご依頼を受けたときは、SNSや求人媒体に登録しない医師の特性から、200通の手紙を個別に出しました。結果、6人に1人の割合で返信いただき、最終的にその企業様は採用することができました。こういったサポートはコンフィアだからできたことだと思っています。

5.求職者へのアドバイスはありますか?

一つは相手の立場に立ったアピール方法を考えることです。例えば英語を使って仕事がしたいといっても、選考過程で分かりやすく使用頻度を伝えることができなかったり、TOEICを受験しておらず、点数で証明することができないといったことが、案外多く見受けられるのです。一見当たり前のようですが、自分の希望を伝えることよりも、人事担当者にとって分かりやすい表現方法でスキルを伝えられているのかを、ぜひ確認してほしいです。
二つ目は希望キャリアに対するマーケティング力を培うことです。エンジニアの場合であれば、いまの知識だけで安心せず、今後どのプログラミング言語のニーズがでてくるのかを見据えた上で転職活動をしてほしいです。また最近ではシンガポールなどに憧れて、海外勤務を希望される方が増えていますが、例えばそこにAPAC拠点を置く日系企業から見て、必要なスキル・知識があるのかをしっかり自己分析できていないケースもあるようです。コスト削減のために現地採用に切り替える企業が多いなか、どうやったら海外出張という形で雇用してもらえるのかを考え、業界調査をして、希望を叶えてほしいです。採用側の目線に立ち、業界動向と自分のキャリアを照らし合わせて、後悔しない転職活動をしてほしいと思います。

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