独立行政法人 国際協力機構 - 注目企業記事

JICAについて

JICAは、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、
 開発途上国への国際協力を行っています。


写真提供:JICA/今村 健志朗


 「信頼で世界をつなぐ」というビジョンを掲げ、多様な援助手法のうち最適な手法を使い、地域別・国別アプローチと課題別アプローチを組み合わせて、開発途上国が抱える課題解決を支援していきます。

開発途上国と日本の人々をむすぶJICA、その取り組みは多岐にわたります。
ここでは、円借款事業による地域にインパクトを与えるインフラ整備、技術協力による日本の経験を活用した母子保健分野の支援、保健領域の法及び設備整備の取組みを紹介します。

 

【回廊整備による経済発展支援】
「第2メコン橋」がラオスとタイをつなぎ、 ASEAN全体の物流・人の流れにインパクト

写真提供:JICA/久野 真一

 インドシナ半島中部を貫く「東西経済回廊」。東はベトナム・ダナン港から、ラオス、タイを通過し、西はミャンマー・モーラミャインまで、1本の道路がASEAN諸国の陸の連結性を高めています。その回廊沿いにあるラオスと、タイとの国境を縫うように流れる大河メコンに架かるのは、全長1,600メートルに及ぶ「第2メコン橋」。円借款事業によるJICAの支援で建設されました。
 この橋梁の完成により、例えば、 タイからラオスへ砂糖を輸送する業者は、かつてフェリーで2日かかっていたところ5分で河を渡り、同日中に届けられるようになり、20パーセントの輸送コスト削減を実現しました。しかし、単なるコスト削減だけではありません。特にラオス側の住民にとって、国境を越えた社会サービスを享受できる機会が拡大しています。大学や職業訓練校のサービスや設備等が、より充実しているのは、タイ側の町ムクダハン。ラオスから就学し、寮生活を送り、休日には橋を渡って帰省、また、夜間の救急患者の搬送も可能になるなど、生活水準の向上にも貢献しています。

 2006年12月の開通から10年。二国間の早くて効率的な人・物の移動のみならず、内陸国ラオスに日本企業が相次いで工場を新設するなど、回廊沿線地域の経済発展に貢献しています。

更に詳しく⇒ https://www.jica.go.jp/topics/2016/20161214_01.html

 

【命と健康を守る国際協力】
パレスチナのすべての妊婦に1冊の母子手帳を


写真提供:JICA/今村 健志朗

 戦後まもなく日本で生まれた母子手帳は、妊娠初期から乳幼児期まで、母子が共に継続的にケアを受けるための健康記録です。そのほか、育児手引や、医療従事者と保護者のコミュニケーションの手段としての役割も持っています。これまでJICAが協力した各国で、現在およそ年間800万冊を発行。その数は日本で1年間に発行される数の8倍にあたります。

 紛争による貧困も重なり母子の健康に深刻な影響が出ていたパレスチナでも、2008年に世界初のアラビア語版母子手帳が発行されました。新たな分離壁や検問所ができ、移動制限などで同じ保健所や病院に通えなくなった場合でも、別の保健所などで使用が可能、また、難民であっても区別されずに配布されたことから、「生命(いのち)のパスポート」と呼ばれています。

 JICAは作成から配布、さらにその使用方法の指導、制度化に至るまで「母子保健リプロダクティブヘルス向上プロジェクト」のもと、2005年から2012年にわたり支援しました。

 大切なことは相手国に根付くまでの丁寧なアプローチ――、配布すれば終わりではなく、相手国が継続して母子手帳を自力で改訂、印刷し、時世とともに変動するニーズに応えつつ活用し続けることがプロジェクトの目標でした。プロジェクト終了から5年がたとうとしている今も、 母親と子どもの健康を守り伝えるという日本発祥の母子手帳の使命は、国をも越えて生きています。

更に詳しく⇒ https://www.jica.go.jp/topics/2016/20160520_01.html

 

ラオスにすべての人が安心できる保健システムを

「すべての人が、基礎的な保健医療サービスを、必要な時に負担可能な費用で利用できる状態」をUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)と言います。UHCは持続可能な開発目標(SDGs)のターゲットの一つです。

インドシナ半島の中心部に位置する内陸国ラオスは、約7割が山岳地帯で地域が分断され、人口も600万人と少ないことなどから、ASEANの中でも最も開発が遅れている国の一つと言われています。ラオスで進むUHCの達成に向けた取り組みとJICAの協力を紹介します。

「2025年にUHC達成」の目標を支援

JICAはラオスで母子保健などの分野を中心に協力してきました。2016年以降、ラオス政府は保健分野の改革を重要課題に掲げ、2020年までの「基礎的保健医療サービスへのアクセス改善」と「受療時費用負担の軽減」、2025年までの「UHC達成」を国の目標にあげています。JICAはこれまでの協力を継続しながら、UHC達成に向けたラオスの取り組みを支援しています。

UHC達成のため、導入が検討されているのが、医師や歯科医、看護師などの免許制度です。ラオスは世界保健機関(WHO)の定義で「保健人材が極度に不足する国」となっているうえ、保健専門職の資格・免許の制度が整備されていません。JICAは支援を通じて、看護師の国家試験などの制度ができ、保健人材の質の向上が加速することを期待しています。

保健医療の質の向上については、2016年から南部4県を対象に「保健医療サービスの質改善プロジェクト」も実施しています。母子保健などの分野で、医療の質の評価とカイゼンの手法を活用し、県・郡病院、保健センターで成果を上げ、その後の全国展開につなげる想定です。各病院や現場のスタッフと話し合いをしながら、医療の質の改善を促す仕組みづくり(チェックリストなど)とその導入を進めています。10月末までに、4つの県病院と7つの郡病院で導入されました。

その他、医療施設や機材の強化のため、拠点病院の整備も進めています。

更に詳しく⇒https://www.jica.go.jp/topics/2018/20181210_01.html