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E Ink Japan株式会社(イーインク・ジャパン)は、電気泳動方式の電子ペーパー(Electronic Paper Display: EPD)市場において世界最大手のシェアを誇る台湾のE Ink Holdings Inc.(元太科技)の日本法人です。2015年に設立され、日本国内における電子ペーパーディスプレイの普及、マーケティング、テクニカルサポート、および国内主要メーカーとの共同開発やパートナーシップの推進を行っています。
同社が提供する電子ペーパー技術の最大の強みは、「バイステーブル(双安定性)」と「反射型」という2つの特徴にあります。バイステーブル技術とは、画面を書き換える瞬間にのみ電力を消費し、一度表示された画像やテキストは電源を完全に切ってもそのまま維持される仕組みです。これにより、従来の液晶や有機ELディスプレイと比較して圧倒的な低消費電力を実現しています。また、自ら発光するバックライトを必要としない「反射型」であるため、周囲の環境光(太陽光や室内灯)を利用して視認性を確保します。この特性により、長時間の読書でも目が疲れにくく、直射日光の下でも鮮明に見えるという、本物の「紙」に極めて近い表示品質を提供します。
日本市場におけるE Inkの技術は、多岐にわたる分野で社会のデジタル化(DX)を支えています。最も馴染み深い例としては、Amazonの「Kindle」や楽天の「Kobo」をはじめとする電子書籍リーダーが挙げられます。さらに近年では、リテール業界での人手不足解消や価格改定の効率化に向けて、店舗の棚に設置される「電子棚札(ESL)」の導入が急速に進んでいます。また、物流や製造業の現場においては、株式会社アイオイ・システムとの協業により、NFC(近距離無線通信)に対応した「見えるRFID」やスマートタグを開発し、紙の指示書を削減する環境配慮型のデジタルピッキングシステムとして高く評価されています。
オフィスや文教分野では、富士通クライアントコンピューティングのデジタルノート「クアデルノ(QUADERNO)」に最新のフレキシブル電子ペーパー技術が採用されており、株式会社ワコムのデジタルペン技術と融合することで、紙にペンで書くような極上の筆記感を実現しています。また、都市のスマート化に伴い、シャープ株式会社との協業によるカラー電子ペーパーを応用した電子ポスター「ePoster」の展開も本格化しています。これは電力をほとんど使わずに動的な情報発信ができるため、防災サイネージや商業施設の案内板として期待されています。
現在、世界中で環境負荷の低減やCO2排出量の削減が叫ばれる中、E Inkの電子ペーパーは「サステナブルな表示技術」として非常に高い注目を集めています。紙の消費を抑えるペーパーレス化の促進だけでなく、ディスプレイそのものの消費電力を極限まで抑えることで、脱炭素社会の実現に直接的に貢献することができます。E Ink Japan株式会社は、こうした地球規模の環境課題に配慮しつつ、日本の最先端技術を持つ企業群と密接に連携し、豊かなデジタル社会の構築を目指して革新を続けています。