初めての海外勤務!

2017.6.9

 

私は子供の時から海外に憧れていて、「いつか海外に住む」という夢を持っていました。中学・高校と一生懸命英語を勉強したのは言うまでもありませんが、英語だけではつぶしがきかないと思い、大学ではスペイン語を勉強しました。スペイン語を選んだのは、スペイン語圏は英語についで広いので、英語とスペイン語が出来たら住める国の選択肢が増えると思ったからです。
 
大学生の頃から、海外に住むには次の手段があると、ぼんやり思っていました。
 
① 商社マンと結婚して、駐在員の奥さんになる!
② 外国人と結婚して、その人の国に住む!
③ 海外に派遣してくれる日本の会社に就職する。
④ 自分で海外に出て、就職先を探す。

 
若い頃は①と②が簡単そうな気がしてこちらを狙っていたのですが、なかなかどうして。①か②を達成する為には、どうやら別の素養も必要だったようで、③や④よりもずっと困難なのでした(涙)。
 
私が初めて海外で就職したのは、もう20年以上も前です。当時はまだ、女性をいきなり海外に派遣してくれるような会社はなかなかありませんでした。なので③も実現性がなく、結局④を目指すことにしました。ただ大学を卒業してすぐに海外で仕事ができるとは思っていなかったので、まず語学が生かせる外国船会社の大手代理店に就職し、貿易の一部である海運業務の経験を積みながら海外に出るチャンスをさぐることにしました。
 
船会社の仕事では外国人の方々とも接する機会があり、海外への憧れはますます強くなったのですが、縁があって中南米と取引がある日本の貿易商社に転職しました。その会社は南米に支店を持っていたので、いずれその支店に派遣してもらえる可能性もあったのですが、もし派遣してもらえることになっても海外生活の経験もない自分がちゃんとやっていけるだろうかと不安でした。そこでまず自分に自信をつけるため、会社にお願いして休職扱いにしてもらい、スペインに1年自費留学することにしたのです。
 
会社側からすれば、会社では一銭も払わないで、一年後にはスペイン語もぺらぺらになって海外生活の経験も積んだ社員が確保できるわけですから、結構な話だったと思います。「頑張ってこいよ」と快く受け入れられ、晴れて海外生活の第一歩をふみだしたのでした。
 
スペインでは、大学の1年間の外国人向けのスペイン文化コースを選んだのですが、もともと勉強することが目的ではなかったため、あまり勉強しなかったのはいうまでもありません。もしあの時しっかり勉強していれば今頃は、と思ったことも今まで一度もないので、勉強したとしてもあまり役にはたっていなかったでしょう。目的は海外生活にまず慣れることだったので、大学で知り合ったスペイン人の女学生たちとアパートをシェアし、彼女たちと遊びに行ったり旅行にいったり、そんな生活でした。
「海外に住む」という夢は一応果たせたわけですが、実際に海外で学生生活を送るうちに、その夢は今度は「海外で働く」という夢に変わりました。

 

一年はあっという間にたち、約束どおり日本で勤めていた会社に戻るつもりだったのですが、帰る前に1ヶ月ほどバルセロナに滞在することにしました。ふらっと入ったバルセロナの大学の掲示板で間借りの案内をみていたら、部屋を探しているんだったら一緒にシェアしない?と、コロンビア人の女の子から声をかけられ、もう一人彼女の友人のアルゼンチン人と3人でアパートを借りることにしました。
「海外で働く」という夢を彼女たちに話したら、日本大使館で日本企業のリストをもらって履歴書を片っ端から送ってみなさいよと勧められました。日本人を募集している会社を探すというような受身な就職活動ではなく、自分から売り込むという積極的な活動は想定していなかったのですが、彼女たちに引っ張られるようにして大使館にいってリストをもらい、私は日本語で履歴書を作り、彼女たちがスペイン語の履歴書を作るのを手伝ってくれました。一人はフリーの写真家だったので、インパクトのある履歴書を書くのはお手のものです。
 
履歴書に興味をもってくれた日本企業数社と面接する機会を得て、結局1社で採用が決まったのですが、日本での勤務経験があったことが有利だったのではないかと思っています。
履歴書が「xx大学卒」だけではちょっとさみしい気がしますが、私の場合は職歴欄を2社埋めることが出来ました。そしてその2社も、最初が船会社、次が貿易会社と、関連性があって一応スキルアップしています。またどちらの会社でも基本営業でしたが、色々なことを覚えたので、担当した業務内容を沢山履歴書に書くことができました。
 
日本人が海外で一番得やすい就職先は、日本企業の現地法人会社ではないでしょうか。日本企業ではない現地の会社に勤めるのは、取引先が日本でどうしても日本語が出来る人が要るという会社や、日本人観光客を扱う旅行代理店とか、そのようなところになると思います。よほどの専門知識や技能があれば現地の会社に就職することもできるかもしれませんが、海外では日本と違って新卒を企業が育成するということはなく、即戦力となる専門的なスキルをもった人物が優先されますから、競争はかなり厳しいでしょう。
 
海外の日本企業が現地で日本人を採用する場合、その会社の専門業務は派遣員でまかないますから、通常は言葉が出来ないその派遣員のサポートをする、現地の言葉が出来る日本人を採用するのが普通です。なので通常は日本での職歴よりも、言葉がどれだけ出来るかや、居住ビザを既に取得して身元がしっかりしているかが、採用基準となると考えて良いでしょう。留学上がりでビザもない日本人よりは、現地の男性と結婚してその土地に密着しているような女性の方が安心ですし、その相手の男性が有力企業に勤めていたり公務員などであれば、更に有利だと思います。私の場合は、採用してくれた会社はIT関係で私の経験とは無関係の業種でしたが、日本での職歴が身元保証の役割を果たしてくれたのではないでしょうか。学生ビザしか取得していませんでしたが、会社の方で労働ビザ取得の手続きをしてくれました。
 
日本企業の現地法人会社での仕事には、色々なものがあります。現地語のスキルが日常生活に不自由しない程度であれば、日本から来たばかりの派遣員のアパート探しとか、お子さんの学校の手続きとか、病気になった時に病院に一緒にいって通訳するとか、そんな仕事を任されます。もっと上級になると、会議の通訳をしたり、出張者のアテンドをしたり、日本人の役員秘書になったりします。もし日本での就業経験と同じ業種の会社であれば、言葉プラスアルファの仕事をさせてもらえるかもしれません。日本企業の良いところは、例えば経理や人事の経験は全くなかったとしても、経理部や人事部で通訳をしながら仕事の補佐をすることで仕事を覚えさせてくれることだと思います。現地の会社だと、既に経理や労務の資格を有する人でないと、なかなか仕事の機会は与えてもらえません。先にも述べましたが、従業員を会社が育成する習慣はないからです。
 
こうしてスペインでの就職を実現した私は、その後も日本企業の現地法人会社に勤めるという道を選び、合計4ヵ国を渡り歩いています。結局どの国でも身分は現地採用ですが現在は管理職もさせてもらっており、日本企業の海外現地法人会社勤務で困難と思える点や成功するコツのようなものを、ご紹介していければと思っています。

                                              

この記事を書いた人

T様

海外在住暦20年のビジネスウーマン。夢だった海外生活のため日本の勤務先を休職し、スペインに単身留学。卒業後、現地の日系グローバル企業に就職し、その後南米に転職。合計4ヶ国での勤務を経て、現在は営業管理職を務める。

 

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